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昨日につづいて寒い日。真冬のコートを着て、糠雨の中を出かける。区役所と、霞ヶ関の東京地方裁判所。▼指定の切手と収入印紙を買いに地下の売店へ行くと、「誠に勝手ながら3月24日をもって閉店させて頂きます。」と張り紙がしてある。明日だ。そうすると今度から印紙類はあらかじめ揃えてこなければならなくなるのだろうか。――そんなはずはあるまい。新しい売店が出来るに決まっている。▼時刻は午後4時45分。地方裁判所は役所の御多分に漏れず午後5時で閉まる。ぎりぎりですべての手続きを終え、閑散としたフロアを後にしようとしたとき、女性の怒鳴り散らす声が響いた。「冗談じゃありませんわ。わたくし、明日も来られるような身ではありませんのよ。いいこと、とにかく帰らないでください。」上品な身なりで、たいそうな剣幕である。悲鳴に似た怒号。それにしても、まるでドストエフスキーの小説に出てくる夫人のような話し方をするなと思った。
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