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「人事の叢集するは落葉の如く、之を掃えば復た来る。畢竟窮まり已むこと無し。緊要の大事に非ざるよりは、則ち迅速に一掃して、遅疑す可からず。乃ち胸中綽として余暇有りと為す。」佐藤一斎「言志晩録」にこうある。つまり、仕事は手早く処理せよというのである。目下の仕事が遅々として進まない折、やや耳が痛い。▼それでも「緊要の大事に非ざるよりは」と付言されているところを掴まえて言い訳するなら、いまやらなければならないことは私にとって随分大切なことなのである。さくさく進めることが手を抜くこととは限らないが、少なくとも慎重には進めたいのだ。▼物事の終盤に焦りは禁物である。しかし世界の作者は残酷なサディストなので、ここぞとばかり焦らせる事情を必ず用意してくる。この罠にかかると、画竜点睛を欠く羽目になる。同じく佐藤一斎にして、こう言わしめる所以である。「凡そ事、初起は易く、収結は難し。一技一芸に於いても亦然り。」
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