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横浜駅東口、ポルタを出てスカイビルを横切り、歩くこと十分、二十分。新高島の駅を過ぎ行くと、みなとみらいの街に出る。今日もまた仕事のための調査だが、このあたりを歩いたのは数年ぶりで、見渡す風景が昔とはだいぶ変わって見えた。行きは気持ちのいい浜風に慣らされて歩きやすい一本道だが、帰りの暗がりで高い歩道橋から見渡すと、なんとも言えない寂寥感がある。胸が透くような風が吹く。▼氷河を見るとき、こんな気分になるのかもしれないと思った。どこか冷たい。しかし人工の冷たさというよりは、疎にならんだ建築物のあいだをゆっくり流れる風通しの冷たさである。何もかもがまばらに配置された、充実感の乏しさである。草原にひかれた道のように、まっすぐ区画された幅の広い道路が、点在する曲線的な建物に似合わない。海辺のおしゃれな街として、まとまりを持たせたように見えながら、計画と想像力がときどき喧嘩している。そういう印象である。
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