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「プランやデザインを考える人間は、常に現在案に対して代替案を考える習慣をつけなければならない。」その通りだ。しかし、この言葉は半分誤解されている。もう他に考える得る案はないか、捻り出せる奇抜はないか、可能なアイデアのプールを埋め尽くすまで発案をやめるな――そうではない。この言葉が警告しているのは、現在検討されている案と案とを比較することの危険である。▼「案を比較するな。」なぜだろうか。よりよい方を取りつづけた先が最良ではないのか。そうかもしれないが、この発想はユーザーの立場を忘れている。これとこれならこっちの方がいいな、と考えることができるのは、ただひとり作り手だけなのだ。ユーザーは最終案がありとあらゆる比較検討の上に選り抜かれた選択であることなど知った事ではない。彼らにとって、それはただひとつの初見の一案に過ぎない。比較の癖は、その案が「初見で良いと感じられるかどうか」という視点を殺す。
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