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招かれたパーティーの席で、とんでもない菓子を食べた。それはどこにでもありそうな狐色のクッキーで、ビールやジュースやポテトチップスのあいだに、いかにも摘まんでくださいとばかり、小綺麗な籠に積まれていた。メイプルシロップの味がしそうだ。ビールを片手に、ひょいとひとつ頂戴する。▼さくっという音もなく、もさりと口の中で崩れた。しけきったカロリーメイトのような食感で、こんがり焼けたかのような見た目にちっともそぐわない。そしてなにより驚いたのは、ひたすら辛いのである。ぴりぴりと後から舌に来る辛さで、飲んでも飲んでも刺激が取れない。不味いの一言に尽きる。▼後でやんわりと訊いてみたところ、世にも珍しいペペロンチーノ味のクッキーなのだそうだ。ペペロンチーノの味とも思えなかったが、しかしなんというアフォーダンスの悪い菓子だろう。全体的に赤くするなり、赤い粒を仕込むなり、辛いなら辛いと主張して欲しいものである。
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