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アメリカの探偵作家、ミリアム・リンチの言葉はこうだ。「うまくいかないから書きやめるのではなく、次の数ページに何を書くのか分かっているから書きやめるのなら、再び机に向かう熱意もあろうというものである。もしどうにもならない障害に行き当たったら、最後の数ページを破棄して、うまくいっていた部分まで戻り、そこから再スタートすべきである。緊張と悩みは、いっそうひどい障害をもたらす。」▼行き詰まったところでペンを置くくらいなら、うまくいってたところまで戻ってペンを置いた方が、再び机に向かう意欲も湧きやすいだろうというのである。第一、どこをどう変えても上手く行かなくなったということは、もはや微調整で解決するような話ではない。目の前に展開している「問題部分」の存在に根本的な無理があるのだ。そこは袋小路で、行き着いたこと自体が間違いだったのである。スムーズに物を創る技術とは、迷路の気配を感じられることである。
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