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個性的という言葉は死んだ。死んでなくともその意味は希釈され尽くして、今やなにも意味しない瀕死の形容詞である。どうしてそんなことになってしまったか――時代性でも言語の退廃でもない、私は純粋に、ある個人がリーチできる人間の数が増えすぎたからだと思っている。人が多すぎる。見える人間が多すぎる。あらゆるものが、確かにその人に根ざしているという意味で個性的であり、どこか他にもありそうだという意味で個性的ではない。▼「いちどで強く印象に残るほど変わっているが、変わっていることで成功している。」みんなで選ぶ何々のランキングを見ていると、上位にならんでいるものにはこんな共通点があるように思う。individualisticなだけではダメなのだ。idiosyncraticである必要がある。個性の発露では足りない――選択と集中の戦略がここにも登場する。自らを分析して、個性のうちでも成功する可能性のある個性を尖らせていくことが求められる。
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