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人と人とのあいだに生じる仕事上のトラブルで、「言った言わない問題」ほど面倒なものはない。その悍しさ悩ましさは、誰しもいちどは経験があるだろう。一方が誤魔化そうとしているときもあるし、どちらも本気で言った/言ってないと信じているときもあるが、ひとたび問題になれば関係ない、同じくらい厄介である。▼全ての契約を文書化するのはコストを考えると必ずしも合理的でないが、何事にも「ここで開き直られたら堪らない」というクリティカルなシーンというものがある。内部で処理のつかぬ外部との契約、大規模なアルバイトグループとの連絡、命運を分けるような重要な言伝の依頼……。▼ふだん開き直りが横行しないのは「次」があるからだ。クリティカルなシーンではその「次」が「今」と天秤にかけられる。そうして、ここさえ取れば「次」などどうでもいいというとき、裏切りが最良の選択肢となる。あとの違いは選ぶか、選ばぬか、無意識に選ぶかだ。
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