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昨日の今日で江戸川乱歩『世界短編傑作集5』を読む。やはりこのシリーズの面白さは折り紙付きだ。久々の短評群。▼ベイリー「黄色いなめくじ」子供の異常心理を題材にした作品。推理小説としてはやや冗長なきらいもある。ディクスン「見知らぬ部屋の犯罪」当時はともかく、今となっては類似の筋が多いか。コリアー「クリスマスに帰る」オチの切れ味が全て。リズムがいい。アイリッシュ「爪」この短さでこの効果は肖りたい。凝縮されたサスペンス。Q・パトリック「ある殺人者の肖像」推理要素は薄く、少年の心理内訌を描く文学作品という印象。ベン・ヘクト「十五人の殺人者たち」これは恐れいった。まさかこんな読後感を味わわされるとは、という形の裏切りは貴重である。ブラウン「危険な連中」サスペンドした物の扱いが秀逸なサスペンス。スタウト「証拠のかわりに」面白く読めたが、幕切れにやや不満が残る。D・C・クック「悪夢」恐怖描写という一作品。
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