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「之ヲ思ヒ、之ヲ思ヒ、之ヲ思ツテ通ゼズンバ、鬼神将ニ之ヲ通ゼントス。」▼ひたすらに我が身ひとつでものを考え、考えに考え抜いてついに取り澄ますことのない思索。こうした驀進型の探究は、かつてはそのまま学問でさえあった。しかし、今となってはそんな方法を採る学問などほとんどないし、個人的にものを考えるレベルに限っても、力技の思惟は日に日に避けられつつある。誰も軽んじてはいないのに、誰もそうしない、あるいはしたがらない。▼考えるという行為が、後に表現し、表明することを前提として為されるようになったのだなと、改めて思う。表明を、目的にしないまでも見据えているから、思考は行く末を知らぬ驀進型では都合が悪い。事に通じるとはその事をよく表現できるという意味に代わり、そうなると人を圧倒する知識も欲しい、煙に巻く饒舌も欲しいで、我が身ひとつなどと言っていられない次第になる。思索もどきの氾濫。鬼神の出る幕はない。
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