400
Post/Edit Page
岩波文庫には硬い栞がついてくる。これがなかなか重宝する。当の本を読み終えても、次の本で栞のついていない本を読むときに、その栞を流用できるのだ。ぺらぺらした安っぽいものだとすぐに折れたり縒れたりして使い物にならなくなってしまうが、岩波の栞は十冊渡り歩いてもそのまま使える頑丈さである。唯一の難点は、頑丈なだけにしばしば緩く仕舞われた本からは滑り落ちてしまうことだろうか。バッグの底で見つけたことが何回かある。▼対して、新潮派がいる。本に付属している紐タイプの栞である。たしかに使い勝手の良さはこちらのほうがよい。無くすことは絶対にないし、両手で本を開いたまま、フライパンを返すように手前に返すと、紐がぱたりとこちらに来て、そのまま本を閉じれば栞になる。開くときも下に食み出した紐を手前に引けば勝手に頁が開くというわけで、案外よく考えられているのである。ただし紙栞のように他の本には使えない。一長一短だ。
pass:
Draft