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逆光の使い方が美しい写真を何枚か見た。私たちがふつう取るような写真は、特別な意図がない限り被写体に対して順光を選ぶものだが、その写真は明らかに目的を持って逆光を選んでいる。それがどれも成功している。不思議に思ったので、しばらく眺めてその理由を考えてみた。どれにも理由は見つかったが、ふたつくらい取り上げてみよう。▼逆光の中、被写体が後ろを振り返る一枚がある。この意図は明白だ。被写体の顔の部分にだけ順光を当てることで、光と闇のコントラストを強調し、明るさや希望を表現している。よくある構図である。もう一枚、今度は画面全体が暗く、光が被写体の背後にしか落ちていない。暗い影の中、一人の男の子が手前の子に手を差し延べている。これは静止画の中に過去の動きを内包させているのだ。「たったいま明るい場所からこの暗い場所に入り込んできたところ」だという情景設定を、背後にだけ光を落とすことで説明しているのだろう。
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