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印刷、印刷。空調もないコピールームで、終日ひたすら刷りつづけた。500枚の用紙を10回は取り換えたから、累計5000枚は刷っただろう。原稿を取り換えることと、出来たものを運ぶくらいしか動きが少ない分、汗だくだくでも「いい汗をかいた」とは言いにくいところがいっそう恨めしい。▼それにしてもこう大量の紙が吸い込まれ、吐き出されしているのを見ていると、もったいないというよりも実に馬鹿らしい気がしてくる。どれもこれもいちど見たら捨てられる使い捨ての原稿コピーだ。内容確認用の予備、これなど目を通されるかどうかも怪しい。PDFデータでも用を為すのに、なぜここまでして印刷しなければならないか。そういう慣習だからだ。データで送るという発想がないのではない、データで送るという形式がないのだ。形式のために消費される紙また紙。コピールームの壁には「コストダウンの徹底」と張り紙。組織とは、かくも矛盾した機構である。
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