400
Post/Edit Page
「何事も、珍しき事を求め、異説を好むは、浅才の人の必ずある事なりとぞ。」▼王道の力は素晴らしいと誰も口にしながら、気がつけばみんな脇道に潜り込みたがる。脇道の何がそんなに魅力なのだろうか。珍しいものがありそうだからか。誰も知らない自分だけの秘法を探しに行くのか。それとも、ただ王道を行こうとしないのは、その道があんまり多くの人に窮め尽くされていて、見通しがよく、眩しく、初学者が大手を振って歩くにはつらいからだろうか。▼王道を正しさと解するなら、これもまた「正しいことをする」ことの難しさであろう。人間、物事を正しく行うのは得意なものだが、正しいことを行うのは苦手なものだ。考えれば考えるほど、やがて「正しいとはなんだろう」という気味の悪い問題に嫌気がさして、それなら目の前の道を正しく行こう、となる。これなら心安い。誰にも出会わぬ獣道を自分なりに巧く歩いていく方法を考えるのは気安く、楽しいものだ。
pass:
Draft