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1925年、ウォルター・グリフォードがベル研究所を設立したとき、その目的は当時の最先端技術を研究することではなかった。ベル研究所が目指していたのは、未知の未来である。研究が成就した暁には、研究所を抱えているAT&Tさえ脅かすかもしれない、そんな破壊的な技術の探求である。▼では今もそうなのかというと、必ずしもそうではないらしい。AT&Tもいまやアメリカ合衆国を代表する一大企業である。R&Dにかける予算は当然、自社の利益に繋がるものでなければ推奨されまい。利益に繋がるものでも即効性に乏しければやはり疎ましがられるだろう。大切なのは今。”Defensive Research”ばかり成されていく。▼成功すればするほど守りに入り、守りに入れば入るほど息が詰まり衰退していく。そんな歴史の循環を、人も組織も嫌というほど繰り返してきた。巨大化即ち愚と化す組織存在に循環は免れないが、せめて自分ばかりは陥りたくないものである。
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