400
Post/Edit Page
美術館に行きたい。このごろは眼で見る芸術にちっとも触れないので、絵画でも彫刻でもとにかく何か素晴らしい物を見に行きたいという気持ちが強くなっている。来年、休みが取れたら東京にでも出てみよう。そうぼんやり思いながら、いまは数十年前の画集を開いて満足する。▼私は絵を描かないが、デザインは今でも必要に応じてする。そのとき、何かロジックに従ったり、基となるデザインを参考にしたりはしない。そこまで本格的にやる必要がないからという理由もあるし、まっさらな状態に「なんとなく」物を配置していくのが好きだからというのもある。▼美術品の観賞は、この「なんとなく」の置き方にささやかなセンスを養ってくれる。本職の絵描きなら本物から受ける印象の方が遥かに重要かもしれないが、ささやかなセンスの醸成くらいなら写真でもいいのだ。なるほど、と合点のいくような発見はなくても、脳の奥には優れたバランスの記憶が静かに沈んでいく。
pass:
Draft