400
Post/Edit Page
コンセプトとは全体を包含する枠のようなものではなく、体積を持たない点である。そう考えたほうがよいのではないかと最近思っている。▼コンセプトが内部に空間を持つ枠であるという発想は、知らず知らずにいろんな未来を殺している。何か新しいことを思いつくたび「これはコンセプトを逸脱していないだろうか」というバリデーションがかかる世界では、くっきりと枠に嵌った調和的なものは創れても、華やかで、多彩で、独創的な作品を創り上げるのは難しい。▼そうではなく、コンセプトは点である。こう考える。アイデアはその点から植物のように伸びていくのだ。そこでは、コンセプトに「収まる」という概念は存在しない。それでいて、全てはコンセプトに「繋がっている」ことが保証される。そうして、自由自在に伸びきったあとで、最後に全体の調子を整えるべく、あまりにも不自然な部分を刈り取るのである。芸術の思考とは、そういうものではないだろうか。
pass:
Draft