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「何が欲しいかと顧客に尋ねていたら、『足が速い馬』と言われたはずだ。」かのヘンリー・フォードは、こんな言葉を残している。▼アメリカの大規模組織では、データ・ドリブンということがしつこく言われる。アイデアを検証するにはデータがなければ話にならぬ。この発想は、分散型意思決定の行きつくところとしては正しい。どの部署の誰もが判断権限を持っているとき、ひとつのアイデアをデータもなしに云々している暇も理由もないからだ。▼しかしこうしたデータ偏重は、大切なものを見逃す危険を孕んでいる。フォードの言葉は言い換えればこうだ。「市場の声、顧客の願望からイノベーションは起こらない。」こんなものが欲しかったんだ、という絶賛は、物が出来てはじめて湧く。「顧客がそれを欲しがっている」というデータが取れないからという理由で、前人未到の大ブレイクに繋がるかもしれないアイデアを捨てることは、プロとしての想像力の欠如である。
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