400
Post/Edit Page
全社帰宅命令から五分。荷物をまとめて社屋を出ると傘が消し飛んだ。ビル風混じりとはいえ、これほど強い瞬間風速に出くわしたのは何年ぶりだろう。自分の身体が吹き飛ばなかっただけ良かったが、電車が止まる止まらぬ以前にこれでは会社を出られない。いちど社内へ戻り対策を立て直す。▼ゴミ袋を貰い、鞄に被せる。なにがあっても本は濡らしたくない。骨だけ残った傘は廃棄。家を出るときタオルは二枚持って出たので、このさい自分はいくら濡れてもいいと腹を括り決然と出る。豪雨、暴風。物が飛んでこないかひたすら警戒する。▼風呂上りのようなびしょ濡れで駅に辿りつき、よくこれで動くなと感心する東横線で横浜へ。降りた途端に全区間で運転見合わせとなり、動いている電車もなく駅構内で待ちぼうけになった。こんなこと三月くらいにもあったな、と思いつつ開いている店を徘徊して回る。災害は畳み掛けるのが常とは言うが、いくらなんでも今年はひどい。
pass:
Draft