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学習の基本は反復だとよく言われる。人は同じことを六回言われないと覚えないという話を前にも書いたが、反復が記憶を強化することは脳科学的にも疑いない。ただし、正しい反復ならば――とノーマン・ルイスは指摘している。▼今言ったばかりのことに矛盾するようではあるが、実のところ単純な反復は大して記憶を強化しない。意味のない、新しい刺激のない反復は脳にとって次第に雑音となり、最終的にはほとんど認識されなくなるからだ。これは慣れではなく無視である。パーティー会場で耳が自然と遠くの会話をシャットアウトするのと同じである。▼ではどうするか。ここでまたしても差異と反復の原理が登場する。反復の基本は差異なのだ。反復に差をつけること。これが繰り返し学習の原則である。例えば英単語を覚えるなら、単語全体を眼で見て、声に出し、手で書き、一部を隠してスペルを埋め、異なる文脈で読み、違う意味の側面を知る。そういうことである。
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