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起句は歌い始めに感動の背景を述べ、承句は叙述を重ねて背景を深め、転句は場面の転換で感動の手がかりを伝え、結句は感動の中心を述べて結ぶ。五言絶句でも七言絶句でも変わらない構成の基本であり、起承転結と呼ばれて久しい原則だが、こうした大原則というものは、手垢のついたクリシェと思わず真摯に立ち返るといつでも新しい考察が得られるものである。▼転、について考えていた。言うまでもなく、転、というのはびっくり仰天のテンではないが、起承転結で転が話題になるとき、どうもドンデン返しばかりが転と思われる節がある。しかし、原則に倣えば感動のきっかけを与える変化が転なのであり、穏やかに語りだした歌が神経の昂ぶりと共に顛末へ向かうのも、鋭く歌い出したものがこまやかな心の機微に変わるのも、どちらも転だ。こういう転があればこそ、起と結と、同じ主題が違う景色に見えて人は感動するのである。読み返してみたくもなるというものだ。
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