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アメリカ人、フランス人、ドイツ人、インド人、日本人……どこの国にも、自然と外国人ばかり集まる居住区というものが出来てくる。そういう国際的なアパートメントで、ふいに雑談が「辛い食べ物の話」になると、集まっているメンバーに関わらず、いつも不思議なことが起こるのだそうだ。その管理人曰く、決まってどこの国の人間も「自分の国の食べ物がいちばん辛い」と主張し出すという。▼どういう理屈でそうなるのかはわからないが、主張したくなる気持ちはわかる気もする。要するに、どこの国の誰であれ、いちどくらいは自国の料理でとんでもなく辛いものを食べた経験があるということだろう。その経験が言わせているのだ。さて、それでは本当にいちばん辛いのはどの国かという話になると、当然ながら決着はつかない。君のところのそれは確かに辛いね、いや君の方こそ、と認め合って終わるようだ。国を人生に、からいを「つらい」に置き換えてみると面白い。
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