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つらい痛みや苦しみに耐え、不屈の精神をもって難局を乗り切る。そんな「歯をくいしばる」ような行為を、英語で”bite the bullet”と言う。戦争のとき、負傷した兵士が鉛製の弾丸を噛んで手術の痛みに耐えたことが由来だそうだ。鉛製なら、思い切り噛んでも歯が欠けなくて済む。▼逆境に挫けず足をひきずりながらも少しずつ前進する、そんな状態をなんと表現するべきか、ある必要に駆られて調べていたとき見つけたものだ。面白いのは、日本語では何も噛まず、英語では弾丸を噛むが、ドイツやオランダなどヨーロッパでは酸っぱいものを囓むことで通じている点である。それも大抵リンゴのようだ。語源は同じかもしれないが、よほど酸っぱいリンゴに悩まされているのだろう。▼ともあれ、国が違えど、つらいときには歯に力を込めることに変わりはない。裏を返せば、そうすることで心身が助かるという、世界中の先人による偉大な知恵でもある。歯をくいしばろう。
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