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駅を降りるとガサガサガサと大きな音がした。何かと思うと強風に煽られて硬くなった街路樹の葉がまとめて舗装路に叩きつけられたのだった。落葉の音もこんなにけたたましくなるものか、と思った。▼それから音にばかり気を取られて歩いてきたが、大通りに出たところで車の音しか聞こえなくなった。深夜だというのにエンジン音の聞こえない一分というものがない。しかも車の姿が見えるとも限らないのである。恐らくは、遠くのどこかを走っているであろう自動車の響き。これはもう立派な自然音と言っていい。▼こんなことを考えた。楽器の成立は人間が自然界の環境音を模したことに由来する。聞き慣れた音色が聴きたいのだ。それならエレキギターの音色が流行るのは、流行る世界の子供たちが幼少から環境音として自動車の音を聴きつづけてきたからではないだろうか。トンデモ説には違いないが、自分で納得しそうになるほど、車の音は迫力と物量を兼ね備えている。
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