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混み合う駅のホームで危ない一幕を見た。終電につきものの酔っぱらいが、ふらふらと縁を歩いていたところ、なだれ込んできた階段からの集団に押されて肩をぶつけた。その衝突は混雑にはよくある軽いもので、たいした問題ではなかったが、相当腹に据えかねたらしい酔漢が、ぶつかってきた男を睨むや思い切り背中に蹴りを入れようとしたのだ。さいわい、酔っていてもつれた足は空を切った。▼さらに立腹した酔っぱらいが前の男を追いかけて喧嘩になったら事だと冷や冷やしていたが、そういうことにはならずその場はそれで収まった。けれども、もし入っていたらホームに落ちてもおかしくない全力の蹴りである。深夜の人身事故はこういうふうにして起きるに違いないと思うと、自分ばかり正気であれば危なくないとはやはり言い切れないので、いつ突き飛ばされるかわからないホームの縁は、高層ビルの屋上縁と同じくらい危ない場所であることを改めて感じたのである。
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