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自分が何かについて上達しているかどうか考えるとき、たとえばそれが創作なら、明確な目安になるのは「無理」と「無駄」である。▼無理が少なくなってきたと感じたら、それは理想に対して不足しているところが減ってきたということだ。一方、無駄が減るのは過剰な要素が取り除かれたということになる。作品にとって、言いたいことが過不足なく表現できている以上に理想的な状態はないので、当然といえば当然の結論だが、それでは順番に解消するとしたらどちらから手をつければいいか。▼私は、無駄の方から手をつけた方がよいと思っている。無理は、何がどう無理なのか、どうして無理に感じるのか、初学のうちはわかりにくいし、何より無駄がたくさんある状態ではどこが無理なのか見分けがつかないからだ。それに対して無駄、即ち過剰というのは、冷静な目で見れば特定は比較的容易である。無駄を探し、間引いていくのは、いちばん手軽で確実な推敲の一である。
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