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秋山公良『よくわかる作曲の教科書』を読む。大学の「線形代数」などにありそうな、いかにも教科書という体の飾り気のないシンプルな装丁だが、基礎の基礎が非常によくまとめられていて、文句なしに良書と思う。左に本文、右に譜例というスタイルも読みやすくていい。初心者にはやさしく、中級者にも得るところはあるだろう。▼立ち読みで買うのを決めたのは、各章の表題が端的に真理を突いていると感じたからだ。たとえばこんな表題がある。「10秒にいちど何かが起きる」「エンハーモニック転調は甘美」「テンションコードが生まれる理由」「音には進みたい方向がある」「1番いいところ=1番高いところ」「曲の長さは短め厳守」▼こうしたトピックひとつに対し、見開き一枚を使って譜例と共に解説を加えていく。その説明のスタンスが、こうしてはならない、ではなく、こうするともっとよくなる、という視点に終始しているところにも、建設的で好感が持てた。
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