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「地位とか名誉とか、そういうこともあるけどね、なんたって目上の人に先生と呼ばれる人たちは傲慢になるよ。どんどん浮世離れして、威張るようになる。若いころは気性のいい人でもさ。」もう何年も前に聞いた老人の言葉が忘れられない。聞いた時、真実だと思った。何度か反芻した今でもそう思う。▼どこの世界にでもいる「ほんとうにえらい人たち」はさておき、ふつうの人間にとって傅かれることの魔力は強烈である。目の前に頭を垂れる人よりも自分が偉いと思い込むのは、これはもう性格や嗜好という人間的、新皮質的な枠組みより遥かに原始的な反射のひとつだろう。▼それでも多くの人は、大抵目上の人に従い、後輩には従われるという形で、同じくらい頭を垂れたり垂れられたりする。長く社会の中で生きるうちに平均化され、錯覚が解消していくのだ。だから、冒頭の言葉は真を突いている。該当する職業を探して列挙し眺めてみると、思うところがあるだろう。
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