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予算の逼迫、事態の収束、諸々事情はあるにせよ、ついにプロジェクトも深夜残業を禁じて二十二時以降の残業は認めないことになった。認めないだけで居てくれる分には大いに結構ということもあるだろうが、それについてはとやかく言うまい。燃え盛る終盤を抜けて、そろそろ着地点が見えたので手仕舞いの準備をする、という一手を打つ余裕があるのは嬉しいことだ。▼夜はそれなり早く帰れる。休日の見通しも立った。半年ぶりに日常を取り返せるこの感じは、遠方の海に出た漁師が遠くの港灯りを望む気持ちに近いものがあるように思う。巨大な鮪を持ち帰るわけでもないし、体が鍛えられたわけでもないし、誰かが出迎えてくれるわけでもないが、我が街に帰れるというそれだけで極まる感情を昔から郷愁と呼ぶので、そうなら高々半年とはいえ今の私の気持ちも小さな郷愁と呼んでよかろう。負傷はしたが、無事に帰れて何より。毎日、必ず記事を書けたのも何よりである。
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