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個人的な事情から少しマイクについて調べはじめた。小説にしようというわけでもないので本格的な資料集めをしているわけではないが、録音というものが開発されて以来、録音技法もまた工夫に工夫を重ねて進化してきたのだという当たり前のことを、つい今日まで完全に失念していたのが恥ずかしくなったのである。▼ここで調べたマイクの種類や構造や仕組みを開陳することはしない。ただひとつだけ驚いたのは、アラン・ブルームラインがベル研究所でステレオ・サウンドを研究していたとき、則ち1930年代にはすでにロンドンフィルの演奏がステレオで録音されていたという意外な発明時期の速さである。以来八十年、このもっとも古典的なステレオ録音の方式は、錆びつくことなく実用に供されてきたらしい。▼つくりはシンプルながら、音の左右をきれいに分離してくれる特性がクラシックの需要に応えたものだろう。この方式でなければ、というファンもいるようだ。
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