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机は三つ用意せよ、と言う。ひとつは読み物や書き物など作業一般のための机。ひとつは資料が山積みにしてある調べ物の机。ひとつは常に何も置かれていない綺麗な机。こうすることで、どんなときでもすぐ仕事に着手でき、あれこれ迷うことなく目的を遂行できるようになるという。綺麗な机はバッファと言ったところだろう。▼もし「勉強法」などと題する自己啓発・ビジネスノウハウ本にこんな記述を見つけたら、ほとんどの読者は大いに憤慨するのではないだろうか。机を三つ。どこにそんな場所と金がある。こんなものは貴族のやり方じゃないか。▼配置の例として示された広い書斎の写真の中で、勉強法の始祖が得意満面、豪奢な机の三並びを見せている。写真のために汚されたような作業机、分厚く絵になる選び抜かれた資料の山、塵ひとつないフラットな机。やれやれ、とても真似できぬ――せめて机上の領域を三分割してみてはどうかと思い立ち、少し整理している。
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