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「尾籠な話で恐縮ですが……。」艶話、あるいは俗に下ネタなど、下品な話題を持ち出すときに置かれる前フリのひとつ、尾籠(びろう)。どうも漢字にそれらしい下品さ、下賎さが見当たらないので調べてみると、もとは古語の「をこ」に漢字を充てたものがいつの間にか音読みされるようになったものらしい。をこ、は痴と書き、愚かさや見苦しさを表現する言葉。をこがまし、と同じ語源ということになる。▼公前で不潔、わいせつな事柄に言及するのを婉曲したいと思う心が、「をこ」であるというそのこと自体も意識させないようついに音を消させたものだろうか。あるいは、尾籠などという言葉の使い回しをする人が人前で品のない話を披露することは少ないので、日常でなかなか聞かれないレアな単語になり、発音の正確さが失われたものだろうか。調べてもわからないが、こういう独特の遍歴を持つ言葉というのはあまりないので、好き勝手に事情を推し量るのも面白い。
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