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「今日は何時ですか。」「四時に行きます。」さて、待ち合わせ場所へ五時半に到着したところ、相手の人がかんかんに怒っている――という相談を受けた。怒っているからどう謝ればいいだろう、という相談ではない。「四時に行く」というのは、自分は四時に出るという意味で言ったのだ、「行く」を辞書で引くとちゃんと「出発する」の意味があるのだから、自分は正しいと思うがどうか、というのである。▼開いた口はいっこう塞がらないが、世の中にはこういう人もいるのだと諦めた上で、ひとつ考えたいことがある。「この情けない事件の病原は何か。」一見すると言語の慣用に対する不理解に思えるが、恐らくそうではない。言葉を改め「四時に出発します」としてもダメなことに変わりはないからだ。相手が知りたいのは「私は何時に待ち合わせの場所へ行けばいいのか」ということなのだから、「五時半に着きます」と言えないところに回答者の身勝手があるのである。
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