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ステレオタイプの功罪は繰り返し語られてきた。要約すればこうだ。「便利である。しかし現実に合わぬ。」こうして人間のステレオタイプ化は議論のための便宜に過ぎず、実用することは悪であるという固定解釈が蔓延ることになるのだが、もちろんそんなことはない。人がそうしがちであるということの裏には必ず意味がある。私たちの気がつかないところで、ステレオタイプは実用に供されている。▼「冗談」もそのひとつ。気心の知れた友人や同僚と、相手をからかうような冗談を言い合うとき、私たちはよくステレオタイプをからかう。**はみんなこうだよな、とか、これだから**は……という語り口だ。英語によくある「弁護士ジョーク」「**人ジョーク」などもわかりやすい例だろう。相手個人を直接からかえば角が立つところを、標的をずらして相手の属している「典型」をからかうことで、「君に対する悪口ではないんだ」という意思を暗に示しているのである。
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