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「味がありますよね」と、創作物についてよく言われる。賛意には違いないのでありがたいが、「味がある」という言い回しは、取り立てて褒めるべきことがないときに用いられる代表的な口上でもあるので、聞くたび自分の未熟を感じる思いもする。「味がある」で片付く実力者はいないのだ。▼誰にでも持ち味はある。その持ち味が不快でなければ、なにがしか「味がある」ということになる。だから、その味をよくしたいと思うなら、自分の持ち味がどんなものか知らなければならない。これが難しい。自分ではまるでわからない。あなたの言う味とは、どんな味ですか。▼文章について、なるほどと思う答えを返してくれる人がいた。私の文章は、良くも悪くも「中途半端な翻訳調」なのだという。外国語を翻訳したような、それでいて日本語のような――言われて読み返してみると、たしかにそう思われる箇所が散在している。なるほどね、と頷きひとつ。把握が具体的になる。
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