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勉学でも、創造でも、なんでもそうだが、人は経験を積むほど細かいところにも気がつくようになる。言い換えれば、些細なことにも面白さを見出すことが出来るようになる。凡夫が見れば何の変哲もない茫漠たる風景でも、一流カメラマンには無限の興趣があるというわけだ。▼楽しむ側であるとき、これは非常に喜ばしいことである。しかし、楽しませる側であるとき、この豊富な経験はしばしば首を締めに来る。なにしろ細部の妙味というものは、わかるものにとっては捨てがたい魅力を持つので、凝り、こだわり、固執し始めたらもう最後、このディティールの美しさがどうしてわかってもらえないんだろうと悲嘆に暮れるようになるまで、そう時間はかからない。▼梁の裏へ刺繍を施す前にやるべきことがいくらでもある。眼が近すぎると思ったら一歩引いて、全体を見直そう。そのための簡単で信頼出来る手法がひとつある。何も知らない人に率直な意見をもらうことである。
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