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多くの図書館には「複写」というありがたいサービスがある。通常有料だが、据え付けてあるコピー機で館内の資料をコピーできるのだ。このサービスについて、図書館は張り紙でこう主張している。「一、一人一部に限る。二、個人利用に限る。三、書籍の一部に限る。その他、最新雑誌及び書庫内の古書については複写禁止。」▼いかにも禁則のようだが、悪くどく読めば何も禁じられていないに等しい。ほとんどが利用者のモラルに委ねられている。第一、書籍の「一部」とはなんだろうか。文庫は文章の半分、絵画は同じく一枚の半分……などと細かく設定している図書館もあれば、ただ一部としか記していないところもある。▼公的な場所に設置された複写機なら複写可能という著作権的「特例」は現在移行段階にあり、いわば暫定的なグレーゾーンなのだそうだ。図書館自体が突き詰めれば灰色な存在であるだけに、複写はいっそう利用者にモラルが要求されるところだろう。
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