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物語を五幕に分けると、次のようになる。時代設定や登場人物の紹介など、作品の理解を助ける情報を読者に伝える「提示部」が一。その設定・人物関係をもとに衝突や対立が起こり、主人公をめぐる世界が興奮を強めていく「上昇展開部」が二。それら衝突・対立の有利が不利に、あるいは不利が有利に転じ、主人公の運命が突如として動揺する「クライマックス」が三。勝敗が定まり予想された終末に向かう緊張が描かれる「下降展開部」が四。そして大団円または破滅が確定する「結末」が互。▼提示部と結末に物語はない。物語と呼ばれるべき起伏は上昇展開部、クライマックス、下降展開部である――これを「フライタークの三角形」という。三角形を「展開部」とひとまとめにすればソナタ形式になるし、上昇部は緩やかに、下降部は急激に、という原則は、東洋的な序破急の概念に通じるところもある。起承転結の四区分とあわせて、覚えておきたい汎用的な五区分である。
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