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話の中にさりげなく、特定の漫画を読んでいなければわからないマイナーなネタや、世界史のある小さな事件を知っていることが前提の比喩や、最新の技術用語に頓智を効かせた言い回しなど、とにかく「わからない」言葉を混ぜてくる人がいる。それは何のこと、と尋ねる頻度があまりに多いので、そんな知らない話を細かく挟まれてもやりにくいよと伝えると、実はわざとなんだよねと言う。▼曰く、ふだんから各方面のマニアックな知識を自然に挟んで反応を見ることで、その人のツボを探っているのだそうだ。この人は時事通だ、あの人はアニメトークについてこれる、などわかってくるという言い分である。なるほどやっていることはわかるが、極めて危険である。相手に意味の通らない言葉で話しつづけていると、次第に人は理解するのを「諦める」ようになるからだ。諦めて、愛想で頷くようになる。話し手は流暢に話しているつもりでも、実際には無視されることになる。
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