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マックス・エルンストの絵画を見る。青と緑の色遣いが非常に良い。森とリングを主題とする一連の作品群は、ふつうに出来のいい絵として楽しめた。中央に完璧な蝕のリングを配する「最後の森」など、とくに秀逸である。▼エルンストは鳥のモチーフに生涯こだわりつづけたが、なかでも鳥籠の描かれたものはきわめて印象的だ。なにしろどの鳥も籠の手前、つまり檻の外にいるのである。自由を求めて深い森の様子をうかがう霊体のような白い鳥は、鳥籠から森に焦がれているようで、実は籠に執着している。「なぜなら、そこが居場所だからだ。」▼あるいは「怒れる人々」の形相には、どこか『魔法少女まどか☆マギカ』に登場する魔女のような雰囲気がある。他にもいくつかディティールが似ている絵を見た。別位相の世界を表現するのに、こうしたシュルレアリスムのアーティスティックな表現を利用しているのだろう。作品の方向性ごとに、いろいろ楽しめる画家である。
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