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経験とは――「人がその愚行と悲哀に与えた名前である。」これはフランスの、アルフレッド・ド・ミュッセ。「各人が自分たちの愚行に与えている名前だ。」とはアイルランドより、オスカー・ワイルド。「愚者たちにとっての教師である。」古代ローマ、ティトゥス・リウィウス。▼経験は素晴らしい、と述べるたくさんの格言を掣肘するように、こんな恨み言も古今東西に存在している。光あれば陰あり。けれども、どんな偉人か知らないが、見ず知らずの死人がこういう言葉を残したからと言って、経験を後ろ暗いものに感じる程度の精神では、生き人はやっていられまい。▼好意的に考えよう。経験した、「だからどうした」というところに、重きを置くなというのだ。ゲーテは言っている。「同じ経験を繰り返して話す人に言えることだが、彼らは経験すべきことの半分も自分が経験していないことを、いつまでもわかっていない。」さあ、まずは二千の土を踏みに行こうか。
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