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もう数年前から家にテレビはないが、まだテレビがリビングを支配していたころ、ゴールデンタイムに番組を変えると、しばしばよくわからないドラマが流れてきた。原作も知らなければこれまでのあらすじも知らないし、キャストが誰かも知らない。話がわからないのでつまらない。けれども、なぜか誰もチャンネルを変えない。三文芝居を小馬鹿にしながら、最後まで見ている。▼つまんないなあ、と思いながらもなぜか最後まで見てしまうという経験は、ドラマに限らず誰にでもあると思う。そういうとき、視聴者の心を運んでいるのは、リズムである。リズムは問答無用で人を「次の拍」に連れていく。リズムのよい映像や文章は、内容とは無関係に「次」を期待させるのだ。ただノリの良い曲が流行るのと同じ道理である。リズムは人を誘う。内容はあるがリズムの無いものと、内容が無くてもリズムが良いものなら、あなたに特別興味のない見知らぬ人は、後者を選ぶだろう。
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