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昔、記事の430で、コンコルド効果を「人間社会の普遍的な光景」と書いた。今更退けるかという不合理な決断は、見栄や意地という社会的・文明的産物に支えられた人間特有の行動に思えたからだ。ところが今日、驚くべきことを知った。コンコルド効果は、動物や昆虫にも見られる、生物一般の普遍的な心理なのだという。▼たとえそれを諦めた方が得でも、苦労して得たものであればあるほどそれを守り抜こうとする心。これは社会的意識の暴走による合理的判断の無視ではなく、それどころか、本能の残滓である。なぜならそもそも「これを諦めた方が良い」という判断の出来ない生物にとって、苦労してまで得ようとしたものは、結局、苦労するだけの価値を有している可能性が高いからだ。経験的に当然である。▼つまりコンコルド効果の誤謬たる本質は、人間が「諦めた方が合理的」だという判断が出来てしまうことの方にある、ということになる。面白い側面だと思う。
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