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個性とは、意識的に発揮するものか、無意識に溢れ出るものか。澁澤龍彦は、一流の人間は皆、例外なく一流のスタイリストだと言う。「滲み出る何か」など信用しない、徹底した前者の立場だ。私もそれに倣いたいと思いながら、後者の存在も否定できずにいる。もしかしたら澁澤も、溢れ出るものを押さえつけたり飼い馴らしたり、そういうことの出来る人をスタイリストと呼んでいるのかもしれない。それならば両立する。▼意識的に発揮する個性も、溢れ出る個性も、共通していることは、それが個性であることを知るためには「標準と比較して何がどう個性的なのか」を判別する知識が必要だということだ。即ち標準とは何かがわからなければ、個性もまたわからない。いかにも性格や天性に由来しそうな個性も、こと他人のそれを感知する段階に於いては知識ベースなことがほとんどなのだ。他人と自分を比較するにも知識が要る。何事もある程度までは、知識ありきである。
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