400
Post/Edit Page
台風四号。後ろには五号も控えている。雨降りは当たり前の六月だが、梅雨に台風が来るというのは、実に八年ぶりだそうだ。▼深夜に向けて風雨が強くなるというので、部内には残業不許可の通知が出た。夕食も軽食で済ませて、濡れ鼠で帰る。屋根付きの駅のホームにまで水飛沫が舞い込んでくるほどの大雨。最寄り駅へ着いた頃には風も強く、高い傘が壊れるよりマシと無防備に走り出す人もいた。大人の手段、タクシーも大繁盛の行列である。▼帰宅して、風呂を済ませてからは、ずっと部屋が揺れている。今、震度3か4程度の地震が来たとしても、とうてい区別はつかない。壁も心配、床も心配、ハードディスクも心配だ。けれども、こういう自然の猛威にさらされるたび思うことだが、余程のことがない限りは安全な私に比べれば、風の気まぐれ次第で、何もかも失うかもしれなかった古代人の不安は想像するにあまりある。だから風が強くなると、私は家に感謝するのだ。
pass:
Draft