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「故に勝を知るに五あり。戦うべきと戦うべからざるときとを知る者は勝つ。衆寡の用を識る者は勝つ。上下の欲を同じうする者は勝つ。虞を以て不虞を待つ者は勝つ。将の能にして君の御せざる者は勝つ。此の五者は勝を知るの道なり。故に曰わく、彼れを知りて己れを知れば、百戦して殆うからず。彼れを知らずして己れを知れば、一勝一負す。彼れを知らず己れを知らざれば、戦う毎に必ず殆うし。」▼孫子の有名な一文を含む、謀攻篇第三の五。あらゆる物事を知り尽くすことで「戦わずして勝つ」ことは孫子の最も推奨する戦の要諦である。己れを知れ、しかし片手落ちでは「勝利の五」はわからぬ。勝利を確かなものにするためには、己れのことのみならず敵のことも充分に調べ尽くしたまえ――当然の訓戒だ。当然の訓戒だが、勝利を焦るあまり己も敵も知らず戦を始めてしまうことがままある人には、なんどでも復唱するに値する一文だろう。知れ。そして勝ち戦をせよ。
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