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「外界のことを思い煩う勿れ。先ず自己に力を得よ。さすれば外界のことは自然と解決がついて行く。」座右の銘は何ですかと聞かれたら、いつも島崎藤村のこのフレーズと、夏目漱石の言葉「人の毀誉にて変化するものは相場なり、値打ちにあらず」を答える。正確には、そのときの気分次第でどちらかを答える。主張の位相は違っても、私の中に占める座の大きさは相並んでいる。▼思い煩うような「外界のこと」の中には、人の毀誉褒貶に関わることも大いに含まれているだろう。そんなとき、それは値打ちを言うのではないと達観するか、それを考えても仕方がないとひきつづき鍛錬に邁進するか。気にしないという点は同じでも、処し方は反対のように見える。どうするか。▼私の中での優先順位はこうだ。毀については藤村が勝つ。誉については漱石が勝つ。所詮、毀誉は相場と割り切りつつも、貶されれば恥じて努力せよ。良い占いだけ信じる人と、似たような態度である。
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