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バックハウスのベートーヴェンピアノソナタ全集がついに届いた。CD8枚組。取り込みは早い。▼ブレンデル、グールドとは違う、ベーゼンドルファーの音色が耳に新しい。音源では聞きなれた音ながら、演奏されているのを聞くのは初めてだと思う。硬く重くきらめく音だ。単音がとくに美しい。その美しさが曲の良さを引き立てることもあれば、これはスタインウェイの方がいいなと思うこともある。けれどもたいていは色違いとでも言うべきもので、どちらも素敵と感じることにためらいはない。▼驚いたこと、思ったことを書いてみよう。悲愴のグラーヴェがやたらと速いが、その後の加速はあまりしない。月光はやや遅く感じる。テンペストは迷わずグールドに軍配。ワルトシュタインは音が映えてじつに綺麗。第三楽章は今まででいちばん良い。熱情は思いのほか音が向かないのだろうか。本人死去のため、ハンマークラヴィーアだけモノラル収録なのが心の底から残念だ。
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