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ひきつづきバックハウスを聴く。オーソドックスで安定感のある演奏はブレンデルに近いものもあるが、何かにつけて間の取り方が独特だと感じる。そこで溜めるか、というようなところで溜めるし、そこは止めないのかと思うところを走り抜ける。溜めるも溜めないも局所の演奏技巧としてではなく、全体でひとつのテンポを形成しようとしているような感じがする。▼ところで、恥ずかしながらこれまで、プロが録音版として残すテイクにミスタッチはないのだろうと思っていたが、そんなことはないようだ。いくつかの音符がもつれて聞こえる。バックハウスに限った話ではなく、どんな有名ピアニストがスタジオ録音を繰り返したところで、難易度の高い曲にミスタッチはつきものらしい。それでもたいていの場合、私の耳にはどれがミスタッチがわからないので、いつもは素通りしているに過ぎないということだろう。当然と言えば当然のこと。機械が弾くのではないのだから。
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