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アジアチャンピオンを決めるFPSの国際大会で、ひいきの日本チームが決勝戦に臨んだときのこと。あるとき、中核を担う狙撃手がめずらしく敵のひとりを仕留めそこねた。互いに姿を確認しての早撃ち戦、一撃で仕留められることの方がそもそも神業だが、この人にしては珍しいなと思っていると、ちょうどそのとき、湧き立つ観客席に向けて解説が試合前に聞いたという彼の言葉を紹介してくれた。言葉の記憶は曖昧だが、中身は忘れられない。▼「**さん、俺は撃ちますよ。たとえ当たらなくても。クリックしないで負けるのだけは、絶対に嫌ですから。」なんという強い台詞だろう。スクリーンの前に立ち尽くし、彼の活躍を見つめながら、胸の内が沸騰するような気がした。最強にして、この信念あり。至言である。俺は撃ちますよ、という一言に込められた「当然感」は、いままでに聞いた似たようなまわりくどい似非名言の重みを遥かに凌駕している。座右に刻みたい。
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